高齢者が増え続ける今、認知症患者は300万人以上とも言われ、中でも認知症患者の取る徘徊行動が社会的問題となっています。 しかし、ある認知症専門医 高橋正彦氏によれば全ての認知症患者が徘徊行動を取るわけではなく、「徘徊を起こしやすい人」と「徘徊を起こしにくい人」がいるとのことです。
「徘徊を起こしやすい人」と「徘徊を起こしにくい人」では、どう違うのでしょうか。 見ていきましょう。
徘徊を起こしやすい人の特徴
- 社交的で人といるのが好き
- 外出するのが好き
- 一人でいることで不安を感じる
このように、社交的で外出願望のある人は徘徊リスクが比較的高めです。
「認知症患者による徘徊の原因と対策」にもあるように、徘徊行動は何の目的もなく出歩くわけではありません。 「外に出たい」という願望・意志があって徘徊という結果に繋がっているのです。
一人で自宅にいると不安を感じてしまうような人も、家族を追って外出したり、人のいる場所へ行こうとして、徘徊に繋がってしまいがちです。
この様に、外出願望の強い人であればそれだけ徘徊リスクが高いと言えます。
徘徊を起こしにくい人の特徴
- 内向的でコミュニケーションが苦手
- 外出するよりも家にいることを好む
- 一人でいることに慣れている
徘徊を起こしにくい人の特徴は、徘徊を起こしやすい人の特徴の正反対で、内向的で外出願望が比較的少ないことです。
外出願望や意志が少ないため、徘徊に繋がるリスクは外出願望の強い人に比べて少ないと言えます。
初期段階で専門のケアを
この様に、徘徊行動を起こしやすい人はある程度予測ができます。 もちろん、外交的だからといって必ず徘徊行動を取るようになるわけではありませんが、 ある程度の予測ができることで、症状の出始める前や症状の軽微な段階から心構えや準備を整えていくことも可能です。
また、認知症には次のような初期症状が見られます。
次の5つのうち、1つでも当てはまるようであれば、専門医に相談をすると良いでしょう。
認知症初期症状のサイン
行動意欲の欠落
続けていた習慣をやめたり、習い事に行かなくなる。
スケジュールを忘れる
人との待ち合わせや、大事な予定など、スケジュールを忘れやすくなる。
性格の豹変
穏やかだった人が急に攻撃になる、楽観的な人が悲観的になるなど。
家事が疎かになる
部屋が片付けられない、料理の味付けがおかしくなる、賞味期限切れの食材が増えるなど。
判断力・思考力の低下
新しい電化製品の使い方を覚えられない、物事の判断が素早く出来ないといった判断力・思考力の低下。
今や高齢者の4人に1人が認知症とも言われる時代です。
深刻な徘徊症状になる前に、予測と予防をしていきましょう。